Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
以前の研究で私は、Deligne-Mumfordスタックに対するモティヴィック積分の理論を構築した。この理論では、ジェットの一般化である、ツイステッド・ジェットという新しい概念の導入が必要であった。私はこの理論が任意の完全体上でもほぼ同様に成立する事を確かめた。正標数の場合は、捻れに関する穏やかさの条件が必要となる。この理論により、例えばオービフォールド・コホモロジーのエタール・コホモロジー版の双有理幾何的な性質を示すことができる。これにより、Deligne-Mumfordスタックの有理点を点の自己同型群から来る重みをつけて数え上げた値に関する面白い結果が導かれると考えられる。これらは、全て基本的には変数変換公式のスタックへの一般化から導かれるのであるが、この一般化された変換公式には、自己同型群の数値的寄与が現れる。この点が、従来の代数多様体の場合には見られなかった非常に興味深い現象である。従来の代数多様体の双有理幾何学への応用として、商特異点の食い違い係数を群の要素の歳を使って表現することが可能となった。歳は群の要素を対角化して、対角線上の数の指数を足しあげたものとして、自然に現れる。これは従来知られていた、端末的または標準的商特異点のReid-Shepherd-Barron-Tai判定法の精密化になっている。また、ツイステッド・ジェットを使って商特異点の様々な性質を調べることも可能となった。商特異点は、代数多様体を群作用による商として構成するときに自然と現れる、特異点の重要な類をなす。
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Compositio Mathematica 140・2
Pages: 396-422