Project/Area Number |
02J08439
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉橋 映里香 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 宇宙風化作用 / 反射スペクトル / 炭素質コンドライト / 普通コンドライト / 水星 / ナノメートルサイズ微小金属鉄 / 電子スピン共鳴 / レーザー照射 / かんらん石 / 輝石 |
Research Abstract |
小惑星は太陽系初期の環境に関する情報を保持しており、太陽系の起源と進化を解明する上で大変重要な存在である.一般に、隕石の母天体は小惑星であると考えられている.なかでもS型小惑星は普通コンドライトの母天体であると考えられている.しかし、両者の反射スペクトルを比較すると、S型小惑星のスペクトルは反射率低下・吸収帯浅化・スペクトルの赤化を示す.この原因として、星間塵や微小隕石等が衝突することにより、天体表面が光学的に変化する宇宙風化作用が挙げられる. 宇宙風化作用のメカニズムを解明するために、微小隕石等の衝突をナノ秒パルスレーザー照射で再現したシミュレーション実験を行った.その結果,スペクトル変化の原因は粒子表面に生成したナノメートルサイズの微小金属鉄であることが明らかになった.また,地球上に存在する鉱物の他に,普通コンドライト(Moorabie(L3)、Allegan(H5))において実際にスペクトルの反射率低下・吸収帯浅化・スペクトルの赤化が生じることが確認された.炭素質コンドライト(Allende CV3)においても反射スペクトルが変化することが明らかになった. 加えて,水星表面における宇宙風化作用の効果に対する応用を行った.水星表面には鉄が少なく,斜長石が多く分布していることが観測から明らかになっている.しかしながら,周囲に存在するかんらん石や輝石が隕石衝突により加熱を受けた結果,月ソイルで観察されたものと同様に,斜長石の粒子をとりまくようにナノ微小鉄が存在する可能性がある.水星探査機(メッセンジャー等)による観測結果を期待するところである.
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