Project/Area Number |
02J08602
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 千津 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | p53 / アポトーシス / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
ヒトの癌で最も高頻度に変異が認められる癌抑制遺伝子p53は特異的なDNA配列に結合し、転写活性を制御する転写因子であり、複数の標的遺伝子の発現制御を通して、その生理機能を発揮する。これら標的遺伝子の解析を通して、癌化のメカニズムの解明のみならず、癌の診断や治療へ発展することを最終的な目標とし、研究を行った。 我々はcDNAマイクロアレイの技術を用いることにより数万もの遺伝子の発現動態を体系的、網羅的に解析してきた。今回、これまで利用してきた23040遺伝子に加え、新たに機能未知遺伝子を中心に9216遺伝子を配置したcDNAマイクロアレイを利用することにより、これまでのスクリーニングからもれていた新たなp53標的遺伝子群の単離・機能解析を試みた。方法としては、p53を欠失した脳腫瘍細胞株に、アデノウイルスベクターを用いて正常型p53を導入し、遺伝子発現の変化を時系列で調べるものである。その結果、コントロールであるLacZ導入時と比較し、p53によって有意に発現上昇する遺伝子をスクリーニングした。 またこのように単離・同定された遺伝子が実際に癌化にどの様に関わっているのかはこれまで充分に解析されていなかった。今回、得られたp53標的候補遺伝子に関して、各癌の臨床検体における網羅的遺伝子発現解析の結果と比較・検討した。種々の癌で発現低下が認められる遺伝子は腫瘍抑制に関係する標的遺伝子群と推測され、p53の腫瘍抑制効果の中心的な役割を担う可能性が高いと思われる。また逆に発現上昇が認められる場合、その遺伝子が、MDM2のようにp53の機能を抑制するように働く結果、細胞の癌化を誘導している可能性も考えられる。このように臨床検体を用いることにより、p53標的遺伝子を機能解析することが、p53の癌化抑制能の解明のみならず、発癌機構の解明、さらには癌の診断・治療へと発展することを期待したい。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)