Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1995年兵庫県南部地震における甚大な被害を受けて,鉛プラグ入り積層ゴム支承(LRB)などの免震デバイスを採用する構造物が増加してきている.LRBは構造物に柔軟性と減衰性能を付与し,固有周期を長周期化して慣性力を低減するとともに,変位応答を減少する.このように,LRBは動力学的効果を積極的に利用していることから,構造物の応答は支承の力学特性に大きく依存する.このことから,構造物の応答を精度よく予測するためには,支承の精緻なモデル化が必要となる.しかし,LRBの構成材料である鉛やゴムは,その複雑な力学特性から材料試験方法が確立されておらず実験データが存在しない.そのため,これまで材料レベルからのモデルは存在せず,手間・費用のかかる実物大の実験を主として性能の確認が行われてきた.そこで,鉛の材料試験から力学特性を把握し,そのモデル化を行ってきた.現在,鉛に加え免震・制振デバイスに広く利用されているゴムの汎用的な構成則を構築しており,次いでLRBを対象として,材料レベルから広範な状況下において適用可能な有限要素モデルを構築している.以下,項目別に実施状況を報告する. 材料試験によるゴム・鉛の力学特性の把握 材料試験においては,高い空間・時間分解性能を有するCCDカメラを利用して,材料の動的な変形過程を3次元的に把握するための画像計測システムを構築した. ゴム・鉛の温度・速度依存型構成則の構築 材料試験で得られたゴム・鉛の力学特性を基に,材料の温度・速度依存型構成則を構築している. 有限要素法の構築 提案したゴムおよび鉛材料の構成則を適用できる有限要素法を構築した.特に提案した構成則は,温度依存性を含むため,非線形有限要素法と熱伝導問題の有限要素法を連成して扱うことができる汎用的なコードを開発している.
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