サンゴ群集の白化後の回復動態:リージョナルスケールでの多種共存機構の解明
Project/Area Number |
02J08890
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生態
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹垣 草世香 (向 草世香) 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 造礁サンゴ / 幼生 / 回復動態 / ランダムコミュニティ / メタ個体群 / オニヒトデ / 多種共存 / メタポピュレーション |
Research Abstract |
1998年の白化現象により沖縄島周辺のサンゴ群集はほぼ壊滅した。サンゴが回復するための幼生供給源は30km離れた慶良間諸島にしかなく、その回復動態は幼生分散のダイナミクスに強く制約されている。 そこで沖縄島・慶良間諸島におけるサンゴ幼生の動態を調べるために、31地点に幼生着底盤を設置した。回収後、顕微鏡による観察から着底した幼生の数および分類群の同定を行った。その結果、沖縄島周辺では2003年以降幼生の定着量が少ない状況が続いていることが分かった。また、加入した幼生の大半は長距離分散型のミドリイシ科であり、短距離分散型のハナヤサイサンゴ科の定着量は極めて少ないことが分かった。以上のことから、沖縄島周辺のサンゴ群集の回復動態は幼生の分散距離に強く制約を受けており、白化から7年経った現在も全体として回復の傾向は見られないと結論できた。この研究は、琉球大学熱帯生物圏研究センターの酒井一彦助教授との共同研究として進められた。 また、サンゴ生息環境の特徴である、波当たりなど環境の生息地間変異と、台風など環境の時間変動が、多種共存に及ぼす影響について理論的研究を進めた。繁殖率と死亡率をそれぞれランダムに与えた2種のペアを作成し、共存可能かどうかを求めた。その結果、ランダムコミュニティで共存が実現する頻度が高くなるのは、死亡率の空間変異が大きい場合と繁殖率の時間変動が大きい場合であることが分かった。以上の結果に基づいて、多種共存が促進される生物学的環境下について議論を行った(現在投稿中)。
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Report
(4 results)
Research Products
(2 results)