Project/Area Number |
02J09051
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
御手洗 菜美子 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 粉粒体 / 非平衡散逸系 / 流体 / 粉体 / 非平衡統計物理 |
Research Abstract |
われわれは以前、粉体の斜面流の数値実験で、斜面方向に一様な定常流が不安定化して密度波を形成することを見出した。この現象を理解するため、斜面上の粉体流の線形安定性を、非弾性剛体球の運動論に基づく流体モデルを用いて解析した。その結果、一様流が長波長の摂動に対して不安定となり密度揺らぎが増幅されるパラメタ領域が複数見出された。数値実験では、密度が低い程流れが速くなり、より不安定であるという傾向が見られたが、流体モデルで見出された不安定領域の一つが、この傾向に定性的に対応している。方程式を深さ方向に積分した一次元モデルの解析も行い、やはり密度波形成を示すことで知られる液膜流や交通流のモデルと類似した構造を持っていることがわかった。 2003年10月6日から12月28日までは、アメリカ合州国コーネル大学に滞在し、なだれのモデルの統計的振舞の研究を行なった。砂山などで広く見られるなだれ現象は、サイズ分布が冪乗則に従うなど臨界的な振舞を示すことが知られている。この非平衡の臨界現象について、実験や数値実験データから、スケーリング指数やスケーリング関数を、補正やエラーバーを系統的に評価して求める手法の開発を行なった。 また、高密度な斜面上の粉体流の数値実験を行ない、その内部構造を調べた。重力下の斜面流では、圧力が深さに応じて変化するにもかかわらず、密度が高さ方向に一定になり、しかもその値は流れの深さに依存せずに傾斜角だけで決まっていることが数値実験によって報告されているが、その機構は解明されていない。このときの粒子のダイナミクスを詳しく調べたところ、粒子が高密度な三角格子を組んではシアーによって壊されるため、密度が局所的、時間的に揺らいでいることがわかった。高さに依存しない密度プロファイルはこの揺らぎの時間平均により得られるが、粒子配置の揺らぎの統計をとった結果、密度が一定となる部分では、平均値だけでなく統計的な粒子配置もほぼ一致していることを見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)