Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
水熱合成法を用いて多孔質α-アルミナ支持管の外表面に作製したゼオライト膜に,イオン交換法によりPtを担持させてPt担持Y型ゼオライト膜(以下,触媒膜)を作製した。この触媒膜が,水素分離能と一酸化炭素の触媒酸化活性を有していることを見出し,燃料電池に用いられる改質水素燃料の浄化に利用した。従来から水素分離膜として知られるパラジウム膜(分離係数は10,000以上)と比べて,触媒膜の水素分離能(分離係数は約10)は非常に小さかったが,触媒膜を透過する一酸化炭素を選択的に酸化することによって,一酸化炭素濃度を目標値である10ppm以下に低減することに成功した。膜分離は,膜の両表面の濃度差を駆動力としていること,および一酸化炭素濃度の減少とともに一酸化炭素の酸化反応速度が増大することが原因であると考え,触媒膜の性能を定量的に評価するための透過モデルを提案した。本モデルは,一昨年度提案した反応を伴わないゼオライト膜の透過モデルに,触媒反応速度を考慮した数式モデルである。本モデルを用いることにより,触媒膜内における濃度勾配および一酸化炭素の反応速度を推測したところ,上記の考察を裏付ける計算結果が得られた。 本研究は,これまで分離性能だけが着目されて開発されてきた無機膜に触媒活性を集積化した触媒膜に関する研究であり,国際的に見ても先駆的な研究であっただけでなく,初めてその性能を評価・解析するための数式モデルを提案した。
|