後周期遷移金属サレン錯体を用いる不斉酸素酸化の研究
Project/Area Number |
02J09224
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内田 竜也 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ルテニウム / サレン錯体 / ナイトレン移動反応 / スルフィミド化 / アジド化合物 / 不斉Baeyer-Villiger反応 / シス-β構造 / カチオン性コバルト-サレン錯体 / 中世コバルト-サレン錯体 |
Research Abstract |
ナイトレン移動反応は重要な反応であるが、立体選択性と共に原子効率にかんして問題があった。後者はアジド化合物をナイトレン前駆体と用いることができれば大幅に改善される。筆者らはこれまでにキラルなルテニウム(カルボニル)サレン錯体がρ-toluenesulfonyl azide (TsN_3)をナイトレン前駆体として用いる不斉ナイトレン移動反応の優れた触媒であることを報告している。さらに共同研究者によって、同錯体が2,2,2-trichloro -1,1-dimethylethoxycarbonylazide 1を前駆体に用いるスルフィミド化も高エナンチオ選択的に触媒することが見出された。しかし、これらいずれの反応においても触媒の回転数が十分でないことが問題であった。 そこで筆者は、アジド化合物1を用いたスルフィミド化の反応機構の解析と触媒の分解過程について検討を行った。解析はアジド化合物1を量論量用い、可視吸光スペクトル、^1HNMRスペクトルを用いて行った。その結果、この反応の活性種はこれまで想定されていたナイトレノイド種ではなく、アジド化合物1がルテニウム錯体に配位した付加体が活性種であることが明らかにされた。また、アジド化合物1とルテニウム錯体の反応生成物の解析から、分子内C-Hアミノ化がサレン錯体の不活性化に関与していることが明らかにされた。光学活性なサレン錯体の不活性化プロセスが明らかにされた最初の例である。これらの結果は、纏めてTetrahedron Lettersに報告した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)