戦後日本の安全保障政策-吉田ドクトリンの形成過程、1945-1952年-
Project/Area Number |
02J09390
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楠 綾子 神戸大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 安全保障 / 戦後日本外交 / 吉田ドクトリン / 日米関係 / 日本政治外交史 / アメリカ外交史 / 冷戦 / 吉田茂 / 国際関係論 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度にそれまでの研究成果を集大成した博士論文「戦後日本の安全保障政策の形成、1943-1952年-日米の戦後構想とその相互作用」の公表を進めつつ、論文に修正を加え、分析をさらに深める作業が中心となった。 まず、論文の一部を構成する、1940年代後半の米国側の政策決定過程を、「ジェサップの東アジア構想とNSC48/2の形成-封じ込め戦略としての地域の内発的発展」として『同志社アメリカ研究』に投稿し、採用が決定された。次に、10月に開催された国際政治学会年次大会の部会「戦後日本の防衛政策の形成と展開」にて、「吉田内閣の安全保障政策」を報告した。ここでは、吉田茂の安全保障政策を、同時期の日米双方に存在したさまざまな安全保障構想との比較を通して分析することを試みた。そのうえで、米国に安全保障の大部分を委ねる一方で、自衛のための軍備を漸進的に整備するという方針を、吉田がなぜ、どのように選択したのか、それは当時の国内、国際環境のなかでいかなる意味を持っていたのか、を明らかにした。学会で有益なアドバイスを多く得ることができ、有意義な研究報告であったと考えている。その後、この部会報告用に提出した論文を修正し、『国際政治』に投稿した。現在は、その審査が進行中である。 以上の作業に平行して、博士論文全体を修正し、資料・文献を補充し、分析をさらに進める作業を行った。とくに、戦時中の戦後構想については、戦前の知識が十分ではないため、参考文献や資料を広範に収集するとともに、研究会などで戦前日本外交の最新の研究成果に触れることによって、理解を深めた。また、本研究は安全保障を扱う研究であることから、安全保障の理論を積極的に吸収し、本研究の分析を深める基盤をつくった。研究最終年度の本年を終えるにあたって、けっして効率よく研究発表を進めたわけではなかったが、充実した研究が遂行できたと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)