Project/Area Number |
02J09637
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
江草 宏 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 成人幹細胞 / 分化制御機構 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
我々は、「成人幹細胞は未分化の段階で多様な遺伝子を発現しており、ある組織への分化過程では、その組織に特異的な遺伝子群が結果的に優位な発現を示すように、それ以外の遺伝子の発現を抑制するための抑制機構が存在する」といった仮説に基づいて研究を進めている。仮説に示した抑制機構は、間葉系幹細胞を中胚葉系に誘導した場合よりも、胚葉を越えて外胚葉系の組織に誘導した場合のほうがより顕著に働くと考え、前年度には成体マウス骨髄由来幹細胞の中胚葉および外胚葉への分化モデルを確立した。 今年度は、「未分化の段階における多様な遺伝子発現」を検討する目的で、未分化成人幹細胞が中胚葉系だけではなく外胚葉系である神経系の表現型を示すか否かの検討を行った。 PT-PCP解析の結果、未分化幹細胞は、骨特異的な遺伝子だけでなく神経特異的な遺伝子も強いレベルで発現していることが明らかとなった。また、未分化幹細胞は神経特異的なtarkAおよびβ-tubulin IIIを、蛋白レベルでも発現した。さらに、細胞膜電流のパッチクランプ記録から、未分化幹細胞は機能的にもある程度神経細胞様の性質を示すことが明らかとなった。また、これらの神経細胞様の表現型は、未分化幹細胞を骨へ分化誘導すると消失していく現象をつきとめた。 さらに、共同研究機関である米国UCLAワイントロープ再建生体工学センターで開発された、「細胞外マトリックス・骨分化特異的cDNAマイクロアレイ」を用いてより多くの遺伝子群の発現様式を解析した結果、生体幹細胞は未分化な状態で多くの骨分化特異的な遺伝子を発現しており、これらの遺伝子群の発現は細胞が神経系に誘導されるとダウンレギュレートすることが明らかとなった。 これらの結果は我々の仮説に示した抑制機構の存在を示すものと考えられる。我々は、この抑制現象を「gene pruning」と呼び、その機構の解明に向かっている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)