Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
カボチャのアスコルビン酸酸化酵素(AAO)遺伝子5'上流域に結合するタンパク質AOBPは、Dofドメインと呼ばれる植物特有なDNA結合ドメインを持つ。これまでに、いくつかのDofタンパク質は植物特有な生理機能に関与した転写因子であることが示唆されている。しかし、Dofタンパク質が植物遺伝子の発現調節機構にどのように関わっているかについてはほとんど分かっていない。そこでDofタンパク質AOBPの機能を明らかにするため、モデル植物であるタバコのAOBP(NtAOBP)を用いて解析を行った。NtAOBPのターゲットであると考えられるタバコAAO遺伝子の5'上流、約1500bpのプロモーター領域を単離し、この領域をプローブとしてゲルシフトアッセイをおこなった結果、NtAOBPが実際にAAO遺伝子のプロモーター領域に結合し得ることが分かった。しかし、認識配列特異性が低く1500bpの様々な領域に結合可能であったことから、転写調節を特異的に制御するためには、AOBPと他のタンパク質との相互作用が重要ではないかと考え、酵母のTwo-hybridシステムを用い、AOBPと相互作用しているタンパク質の同定を試みた。その結果、転写因子ファミリーとして認められているbHLHファミリーに属するタンパク質(bHLH)のcDNAが得られた。GFPを用いて、得られたbHLHの細胞内局在性を解析した結果、本bHLHは核に局在することが示された。また、トランジェントアッセイ系を用いて、本bHLHの転写活性を調べた結果、本bHLHは転写活性能を有していた。したがって、NtAOBPと結合するタンパク質として単離されたbHLHは、転写因子として機能している可能性が示され、NtAOBPとbHLHはお互いに拮抗しながら、転写調節に関与している可能性が示唆された。
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