Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
視機能(眼球運動・瞳孔反応)を機能的に評価・解析し,中枢神経系疾患の診断に有効な検査システムの構築と,検査パラメータ・診断指標を検討した. 構築した検査システムは,視機能情報を小型CCDカメラで画像として検出し,コンピュータ画像処理により,眼球運動・瞳孔反応を算出した.赤外線領域に感度のある小型CCDカメラは,近赤外LED照明を併用することで鮮明かつコントラストの高い眼球画像を検出した.本研究では,撮像部において光学系の設計・照明光によるノイズの低減を検討し,パルス照明,偏光フィルタの採用により,精度の高い視機能情報解析を可能とするディバイスを構築した. 視機能を機能的に解析するべく,視覚刺激,視覚課題を簡便に被験者に呈示することが可能なヘッドマウントディスプレイ(HMD)を搭載した検査システムを構築した.先に述べた撮像系とHMDゴーグルを統合し,視覚刺激・課題を実施中の眼球の状態をリアルタイムで観察・記録することを可能とした.HMDに呈示される視覚課題は,コンピュータにより制御された動画・パターンであり,検査目的に応じて自由に選択することが可能である. 本研究では医師の協力・指導のもと,本システムを用いてパーキンソン病をはじめとする各種神経疾患の被験者の眼球運動・瞳孔反応の検査を実施した.HMDに呈示される視標を被験者が追跡し,その時の眼球運動を解析・評価した.その結果,各種神経疾患の被験者において,疾患特異性を示す視機能パラメータが存在し,鑑別診断等に有効な指標が得られた.また,瞳孔に関しては,本システムを用いて散瞳剤点眼薬に対する瞳孔反応を解析し,アルツハイマー病の早期診断指標を検討した.散瞳剤の濃度・室内照明等の実験条件を適度に調製することで,高精度な痴呆症鑑別診断が可能であることを示した.
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