Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
次世代の超高感度再生用磁気ヘッドとして,スピントンネル磁気抵抗効果を用いた磁気ヘッドの研究が進められている.しかし,スピントンネル素子には絶縁層が存在し,大きな電流を流すことができないため,従来の磁気センシング方法では,大きな出力が得られないという問題が生じている.そこで,昨年度,スピントンネル素子をハートレー発振回路内に挿入し,磁場変化を発振の有無で検出する新しい高感度磁気センシング方法を提案し,従来の数十倍の高出力で信号を検出することを報告した.しかしながら,エラーレート,立ち上がり時間,立ち下がり時間に関する応答特性は調べられていない.そこで,本研究では,上記の応答特性を調べることを目的とした.初めに,スピントンネル素子の等価回路を用いて,応答特性を調べた.その結果,10^<-7>以下のエラーレートを維持するには,10Ω以上の抵抗変化分が必要であることがわかった.立ち上がり時間の平均値は,数μsとなり,発振周期程度であることがわかった.これは,高速立ち上がりが可能であることを示す.しかしながら,立ち下がり時間の平均値は,数百μsとなり,発振周波数の数10倍以上であることがわかった.これは,高速立ち下がり時間の実現が困難であることを示す.そこで,その問題を解決するため,帰還部にスイッチング回路を設置することを考案した.その結果,立ち下がり時間の平均値は,数十μsとなり,発振周波数の数倍程度であることがわかった。これは,高速立ち下がり時間が可能であることを示唆する.次に,スピントンネル素子を用いて,応答特性を調べた.その結果,上記とほぼ同様の結果を得た.以上の結果から,本研究で提案した新しい磁気センシング方法は,次世代の高極度再生用磁気ヘッドとして大きな可能性があると考えられる.
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