DNAメチル化とクロマチン動態に基づく神経幹細胞の運命決定機構の解明
Project/Area Number |
02J10019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology (2004) Kumamoto University (2002-2003) |
Principal Investigator |
波平 昌一 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 脳神経系 / 細胞系譜 / 発生 / 分化 / ニューロン / アストロサイト / DNAメチル化 / DNAメチル |
Research Abstract |
前年度までに申請者は、マウス胎生中期神経幹細胞では、アストロサイト特異的蛋白質遺伝子の一つであるGFAP遺伝子の転写調節領域がメチル化を受けているために、通常アストロサイト分化を誘導するサイトカインで刺激しても、この遺伝子の発現が見られないことを明らかにした。本年度は、他のアストロサイト特異的タンパク質S100β等の遺伝子においても転写調節領域のみで神経幹細胞のDNAメチル化が発生に伴い変動することを見い出し、マウス胎生中期神経幹細胞ではアストロサイト分化自体が抑制されており、結果としてニューロンへとしか分化できないこと明らかにし、学術雑誌に投稿、掲載された(FEES Lett.,2004)。これらの結果は、発生に伴う組織特異的なDNAメチル化が神経幹細胞分化に深くかかわっていることを示しており、DNAメチル化というエピジェネティクスが神経幹細胞の運命決定機構に関わっていることを示唆した先駆的報告となった。また、さらなる実験から、マウス胎生中期から神経幹細胞に発現する細胞間情報伝達分子の一つであるNotchシグナルの活性化により、領域特異的なDNAメチル化パターンが変化し、神経幹細胞の分化の傾向性が変化するということを示す興味深い結果を得ており、この成果を本年度カナダで行われた国際学会で発表した。この結果は、領域特異的なゲノムのDNAメチル化が細胞外因子によって調節されうるという新規な知見であり、今後更なる検討が期待される。申請者は今後も神経幹細胞の分化制御機構をDNAメチル化等のエピジェネティクスに基づいて解明していく予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)