動的なランダム・ポテンシャル系における電子状態と量子輸送現象
Project/Area Number |
02J10088
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大江 純一郎 上智大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | メゾスコピック系 / 電子輸送現象 / スピントロニクス / 準位統計 / 普遍コンダクタンス / 揺らぎ |
Research Abstract |
本年度も引続き当該研究課題の大きな柱である、磁性不純物を含んだ低次元電子系での電子輸送に関する研究を行いました。研究手段としては転送行列法を用い、これをスピン自由度を含んだ系に拡張しました。これにより系のスピンに依存したコンダクタンスを計算することが可能になりました。系が不純物を含む場合、コンダクタンスは系の対称性だけに依存した普遍的な値をとる揺らぎ(UCF)を示すことが知られており、本年度、このUCFの値が系の対称性の他に、磁性不純物の種類にも依存することを種々の検証を通して更に明らかなものとしました。 また、磁性不純物としてスピンの向きを1,2,3次元方向に限定したモデルを用いましたが、計算の結果、磁性不純物のスピンの向きを増やすことで、UCFの値は半分に減少していくことがわかり、UCFの値がスピン縮退にも依存していることを更に明らかなものとしました。 また、系に繋がれている端子の状態変化によってもUCFが変化することについて、コンダクタンスの他に系の透過固有値の準位統計を調べることを行い、端子にのみ磁場が印加されている場合でも、系の透過係数分布に変化が見られることを更に明らかなものとしました。 本年度には大量データの数値計算およびその保存を、メモリ・CPU等の購入による高性能ワークステーション構築により実現でき、計算・分析・検証の精度を更に上げることができたことは一つの主要な成果であります。 以上、基礎物理学的興味だけでなく、工学的応用においても重要となりうる数多くの研究成果が得られましたことをご報告いたします。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)