植物における複合環境ストレスの相互作用と耐性機構の解明
Project/Area Number |
02J10211
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
鈴木 真吾 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 環境ストレス / リン酸欠乏 / 二成分制御系 / DNAマイクロアレイ / シス配列 / 強光ストレス / 塩ストレス / 損傷誘導 / 修復阻害 / シロイヌナズナ / 光化学系II複合体 |
Research Abstract |
環境ストレスは植物の分布、生産性を厳密に制限する主要因であり、環境ストレスに対する耐性機構の解明および環境ストレス耐性植物の作製は、環境問題や食糧生産問題の解決の糸口として非常に期待されている。これまでにも世界中の科学者により、塩、乾燥、低温、高温、強光などの環境ストレスの作用機構および耐性機構が解析され、その成果に基づいた様々な環境ストレス耐性植物が作製されている。しかしながら、農業生産を考える上で非常に重要な栄養塩の枯渇に対する植物の応答機構および感知機構については未だ不明な点が多い。よって本年度は、栄養塩のなかでも光合成を維持するために重要なリン酸に焦点をあて、植物と同様の酸素発生型光合成をおこなうラン藻をモデル生物として、そのリン酸欠乏応答およびその感知機構である二成分制御系に関する研究をとりおこなった。 DNAマイクロアレイを用いてリン酸欠乏応答性遺伝子の網羅的解析を行ったところ、リン酸欠乏誘導性遺伝子として27遺伝子を、また抑制性遺伝子として18遺伝子をそれぞれ同定することができた。さらにそれらの遺伝子の発現応答には時間差があることを解明し、リン酸欠乏への適応はリン酸取込みの活性化から始まることが判明した。次にリン酸欠乏応答性遺伝子に対するSphSおよびSphRからなる二成分制御系の影響を解析するために、SphS、SphR欠損株を同様のリン酸欠乏条件下において解析したところ、この二成分制御系が唯一のリン酸欠乏誘導性遺伝子の制御系であることが判明した。さらに、それらの遺伝子の上流域に存在し、SphRが認識するシス配列として、PyTTAAPyPy(T/A)からなる繰り返し配列を同定した。現在、高等植物におけるリン酸の感知機構については全く解明されていない。したがって、本研究は植物のリン酸欠乏に対する適応機構を解明するにあたり有用な知見となりうると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)