20面体クラスターで構成されたFe系化合物のスピンの揺らぎ
Project/Area Number |
02J10569
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
入澤 覚 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Fe系化合物 / 遍歴電子磁性 / 強磁性-反強磁性磁気相転移 / 磁気体積効果 / スピンの揺らぎ / 水素・窒素吸収 / メスバウアー効果 |
Research Abstract |
La(Fg_xAl_<1-x>)_<13>化合物は結晶構造中にFe原子で構成された20面体クラスターを含み、Fe原子どうしが稠密なため、3d電子の遍歴性に起因してFe濃度の増加により磁気的基底状態が強磁性、反強磁性と変化し、両磁気相聞において磁場、圧力などの変化により敏感に転移が起き、磁気相転移とその付随現象の詳細な研究に適する物質である。 温度誘起強磁性-反強磁性転移を示すx=0.862の組成において、実験的に体積と秩序変数の温度変化を明らかにし、強磁性状態と反強磁性状態で異なる大きさの磁気モーメントを持ち、常磁性状態における体積の変化から局所的なスピン揺らぎが本化合物の磁性に大きく寄与していることを明らかにし、論文がJournal of Applied Physicsに掲載された。 本化合物においては反強磁性的相関と強磁性的相関のスピンの揺らぎが同時に存在し、反強磁性を示すFe組成域においてFe組成が強磁性-反強磁性相境界近傍から離れるにしたがい、強磁性的相関のスピンの揺らぎが減少することが、比熱、熱膨張、圧力中磁化測定より明らかになり、そのため、磁場誘起反強磁性-強磁性転移がスピンフロップ的な転移が生じた後、局所モーメントの大きさ変化が起きる2段階転移となることが示唆された。これをまとめて日本物理学会において発表した。 磁場中でX線回折測定を行い、転移にともなう体積変化、各磁気状態における熱膨張を調べた結果、本化合物の転移は磁気エネルギーと磁気体積結合エネルギーおよび弾性エネルギーの拮抗により生じており、反強磁性状態と強磁性状態では局所磁気モーメントの大きさが異なる温度変化を示すことが明らかになった。これに起因して、両磁気状態の転移磁場が特異な温度依存性を示すことを、日本金属学会で発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)