Project/Area Number |
02J10848
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮川 正人 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | β-Mn合金 / 遍歴電子反強磁性 / 中性子回折 / 圧力効果 / メスバウアー効果 / NMR / ネール温度 / スピン揺らぎ / 圧力係数 / 電子比熱係数 / 熱膨張係数 |
Research Abstract |
β-Mnは基底状態で磁気秩序を形成しないが、近年はフラストレートした結晶構造と磁気秩序の相関が指摘され、主に磁性を荷うサイトIIを置換されたスピングラス的な磁性を示すβ-MnAl合金に関する研究が盛んに行われた。一方、サイトIを置換され、遍歴電子反強磁性を示すとみなされてきたβ-Mn合金のサイトI置換系に関する研究は近年ほとんど行われていない。β-MnTM(TM=Ru, Os, Ir)合金はサイトI置換系であり、β相の存在領域が非常に広いことから、置換濃度の増加に伴う磁性の変化をスピン揺らぎの観点から議論する上で好適な合金系である。今年度はβ-MnTM(TM=Ru, Os, Ir)合金での反強磁性秩序の直接的な確認および、ネール温度の圧力効果より置換濃度の増加に伴う磁性の変化を議論した。 β-Mn_<0.75>Os_<0.25>合金の粉末中性子回折測定を行った結果、明瞭な磁気散乱ピークが観測され、β-Mn合金系で初めて反強磁性秩序を直接的に確認した。また、ネール温度の圧力係数dT_N/dPとネール温度T_Nの関係より、dT_N/dPはT_N=70K付近で極大を示すことが明らかになった。dT_N/dPはΔαおよびΔCをネール温度前後での熱膨張率および比熱の変化とすると、dT_N/dP∝Δα/ΔCが成立する。熱膨張測定よりネール温度前後での体積変化は約T_N=60K以下の組成ではほとんど観測されず、それ以上では副格子磁化の増加と共に体積変化は急激に増加し、T_Nの高い組成では同程度になることから、dT_N/dPと熱膨張は相関があると言える。T_Nの低い組成では自発体積磁歪はほとんど観測されない一方、dT_N/dPは比較的大きな値を示す。これらの組成では、比熱測定において明瞭な磁気エントロピーの発散は観測されないことから、磁気的相関長が長く、スピン揺らぎの長波長成分が顕著であることを示唆しており、その影響が特にdT_N/dPに反映されている。
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