Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は河川底生動物に対するダム放流水の影響メカニズムを解明し,河川底生動物相への影響を最小化するダムの運転・管理手法の提案を目的としている. 本年度は昨年度に引き続き、主にダム湖の上下流側に生息する底生動物個体群のDNA多型をRAPD調査し,ダム湖による生息地の分断化がダム湖上下流間の遺伝子流動(遺伝子の個体群間の移動)の低下に及ぼす影響評価を行った.調査は田瀬ダム,遠野ダム(岩手県),大倉ダム(宮城県),下久保ダム(群馬県),刀利ダム,室牧ダム(富山県)の計6つのダムを対象に行った.これらのダム湖は湛水面積が大きく異なるため,生息地分断の規模が遺伝子流動の阻害度に影響するかの検証に適している.遺伝子流動の阻害の有無は,ダム上下流地点間のNeiの遺伝距離を、ダムで分断された河川に隣接するコントロール河川(ダムで分断されていない河川)の遺伝距離と比較することで評価した.対象種はヒゲナガカワトビケラである. 解析の結果、6つのダム湖のうち,湛水面積が3.27km^2以上の2つのダム湖において統計的に有意な遺伝的分化が起きていることがわかった.また,遺伝的多様性を低下させる要因として,ダムによる遺伝子流動の低下よりも,各地点の集団サイズの低下がより強く影響していることが明らかになった.これらの研究成果は土木学会第59回年次学術講演会(2004年9月愛知県)で発表し、さらに土木学会論文集への掲載が決定された.
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