Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
平成15年度は,以下の点について研究してきた. 1.マルチカラー素子への展開 これまでに報告してきた弾道電子励起による固体面発光素子の展開として、様々な発光波長を持つ材料を蛍光体に用いて素子を作製し,特性を評価した.その結果,蛍光体には低電圧動作のものであれば,有機・無機材料を問わず利用できることが明らかにされた.さらに,光の三原色である赤・緑・青の発光を実現し,フルカラー素子への展開も期待できる.これは,本素子がフルカラーフラットパネルディスプレイへの応用が期待できることを裏付けるものである.以上の研究成果は,"第64回応用物理学会学術講演会"および"International Conference on Solid State Devices and Materials 2003"にて報告し,"Phys.Status Solidi(a),197,316(2003)."に掲載,"Jpn.J.Appl.Phys.43(2004)."に掲載される予定である. 2.機能素子への可能性 p形単結晶Si基板を用いて本素子を構成し,素子の電気的・光学的特性の評価及び解析を行った.その結果,発光強度の強い電流依存性を観測し,これを解析したところ,ナノ結晶層での光導電効果により,伝導キャリアの生成とその弾道化が関与している可能性を示唆する結果を得た.これは,光導電効果を利用した新しい機能素子に適用できる可能性を持つ.本研究成果は,"Jpn.J.Appl.Phys.42,2412(2003)."にて掲載された. 3.動作安定化への試み 素子の長寿命化を念頭に置き,様々な手法を用いて動作の安定化を試みた.まず,ナノ結晶層や蛍光体薄膜の大気中の水分やガスによる劣化を抑制するため,素子表面を透明薄膜で封じた.また,ナノ結晶層表面と蛍光体薄膜との界面における電界集中を緩和する目的で,炭素薄膜を挿入した.さらに,ナノ結晶表面の酸化膜やその界面の性質を向上させる目的で,アニール処理を導入した.いずれの手法も動作の安定化が実現でき,素子の長寿命化が期待できる結果を得た.これらの研究成果は,"第51回応用物理学関係連合講演会"にて発表予定である.
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