魚類プロオピオメラノコルチン関連ペプチドが免疫系におよぼす影響
Project/Area Number |
02J11352
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
綿貫 泰亘 鹿児島大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | コイ / プロオピオメラノコルチン / メラノトロピン / エンドルフィン / サイトカイン / POMC / α-MSH / β-エンドルフィン |
Research Abstract |
ホルモンは、動物や植物でさまざまな生理機能を持つことが知られている。近年、哺乳類において多くのホルモンが免疫系に作用することが知られている。しかし、魚類においては、ほとんど免疫系におよぼす影響について明らかになっていない。そこで本研究では、プロオピオメラノコルチン(POMC)関連ペプチドであるメラノトロピン(α-MSH)とエンドルフィン(β-EP)、を用いてコイの食細胞の活性に与える影響を調べ、さらに、これらのホルモンが白血球のサイトカイン(インターロイキン(IL)-1β、IL-10、CC-およびCXC-ケモカイン)遺伝子の発現に及ぼす影響について検討を行った。 α-MSHを作用させたコイの頭腎の白血球は、活性酸素産生と貪食能を有意に増加させた。またリンパ球の幼若化反応を有意に増加した。さらに、α-MSHを注射したコイにおいても、頭腎の白血球の活性酸素産生能と貪食能の増加が認められた。これらの結果より、α-MSHは、コイの白血球を活性化させる作用があると考えられた。 β-EPを作用させたコイの頭腎の白血球でも、活性酸素産生と貪食能の増加が確認された。またリンパ球の幼若化反応を有意に増加した。さらに、β-EPを注射したコイでも、頭腎の白血球の活性酸素産生能と貪食能の増加が認められた。これらの結果より、β-EPは、α-MSHと同様にコイの白血球を活性化させる作用があると考えられた。 コイの頭腎より白血球を分離し、α-MSHまたはβ-EPを含む培養液で白血球を培養した。その後cDNAを合成し、コイのIL-1β、IL-10、CC-およびCXC-ケモカインに対する特異的なプライマーを用いてPCRをおこない、発現の解析をおこなった。その結果、遺伝子が発現する時間が異なるものの、検討したすべてのサイトカインの発現の増加が確認された。これらの研究は、POMC関連ペプチドは、免疫系に増強的にも抑制的も作用することを示唆していた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)