中間赤方偏移銀河団銀河のCO速度場観測による銀河円盤力学進化
Project/Area Number |
02J11383
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
幸田 仁 自然科学研究機構国立天文台, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ガス動力学 / 銀河円盤力学進化 / 円盤銀河 / ミリ波干渉計 / 数値流体力学計算 / 中間赤方偏移銀河団 / おとめ座銀河団 / バー銀河 |
Research Abstract |
銀河円盤の進化・ガスダイナミクスの解明のための多角的な研究を、野辺山ミリ波干渉計、すばる望遠鏡、オーエンスバレーミリ波干渉計、ケック望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡を駆使して行った。それら観測データを解釈するための数値流体力学計算を平行して行った。遠方銀河を研究する上では、近傍銀河で起きている現象を解明することが不可欠である。そのため、近傍銀河、遠方銀河の観測を平行して行った。 まず渦巻腕の周辺のガスダイナミクスを探るため、渦巻腕ポテシャル中でのガス流体力学計算を行った。近傍銀河円盤内での質量・角運動量輸送と関係のある、スパー構造形成過程を調べた。スパー構造は渦巻腕ショック領域下流側に出来る、急激な速度勾配と密度勾配が引き起こすケルビン・ヘルムホルツ不安定性によって作られることを示した。さらにガスの腕は星が作る腕ポテンシャルに対して、前後へと振動することが分かった。この振動モードがガスの速度勾配をさらに急にし、ケルビン・ヘルムホルツ不安定の成長を加速することが分かった。 中心部にスターバースト現象のある早期型円盤銀河のCOサーベイ観測の結果を論文にまとめた。「星形成が早期型円盤銀河中心に存在する確立は少ないが、存在する場合にはスターバースト的である」という統計的事実の解明を目的とし、銀河円盤内でのガスダイナミクスと中心へのガス質量降着、銀河円盤進化過程の解明へのステップとなる。これまでの研究では、回転円盤内での自己重力不安定性によって収縮し、星形成をトリガーすると考えられて来た。しかしこの観測でガス質量は自己重力不安定を起こすほど卓越しておらず、この説では説明出来ないことを示した。ガスの輝度温度と、典型的な銀河中心部ガスの温度を比べることで、ガス円盤全体としては自己重力的に安定だが、すでに高密度の分子雲が存在することを示した。この結果は自己重力不安定でない新たな星形成のトリガーメカニズムが必要であり、仮説として、分子雲同士の衝突によるトリガーメカニズムを提案した。 ハッブル宇宙望遠鏡から始まったコスモス計画データを元に、すばる望遠鏡によるフォローアップ観測とphotometric redshiftの決定を行った。このデータを元にして、遠方銀河が作る宇宙大規模構造を、赤方偏移z=0.3-2.5について見つけ出した。ここで見つけた大規模構造、銀河団の構成銀河をサンプルとし、米国ケック望遠鏡による分光観測で円盤銀河の回転曲線の観測を試みた。ハッブル宇宙望遠鏡により得られた高解像度のイメージから銀河の光度、半径を正確に決め、ケック望遠鏡により得られた回転速度を用いて、円盤銀河の基本平面を遠方銀河について調べ、近傍銀河と比較するのが目的である。合計で3夜の観測時間を得たのだが、生憎天候が悪く、観測を実行することが出来なかった。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)