Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
前年度(平成14年度・採用1年目)は,同一敷地内における中低層建築物群について,建築物配置及び密度を変化させた市街地モデルを16パターン設定し,それらを対象とした日照・採光環境評価シミュレーションによって得られた結果データを基に,指標値の分布形状や数値変化について各タイプに共通して見られる特徴や傾向の把握を行った。 今年度(平成15年度・採用2年目)は,前年度に得られた,数値・分布形状の特徴を基に,タイプ間での比較を行い,良好な日照・採光環境が得ることができ,且つ,景観形成に配慮した配置タイプについて明らかにした。(尚,晴天時の日照環境を表す日射エネルギー比(SER)と日照時間比(STR),また曇天時の採光環境を代表する天空率(SF)の3つを指標としている。) 地表面・壁面を総合的にみた場合,良好な日照・採光環境を享受できる配置タイプは,1.沿道中庭配置タイプ,2.南北軸平行配置タイプ3.塔状集約タイプであることが分かった。これらの配置タイプは,街区内の建築物周辺にまとまった空地を確保しており,地表面及び壁面上で効率よく日射エネルギーや天空率を享受することが可能であると考えられる。内2タイプは南北軸平行配置を含む配置であった。今回シミュレーションを行った比較的小規模敷地の高密型市街地においては,十分な隣棟間隔を確保できず,東西軸平行配置では南側壁面でも低層階部分では日照環境が悪い。そのため,南北軸平行の住棟配置タイプとすることで,東西側の壁面で効率的な日照・採光の分配が可能であったと考えられる。 また,日照・採光環境性能からみて他タイプと比較して良好であった3モデルについて,街並み形成の観点を加えて総合的に評価した。この場合,沿道中庭配置タイプと南北軸平行配置タイプは,中低層建築物を含む比較的小規模な街区で構成される市街地においても,壁面線・高さの揃った統一感のある街並み形成に寄与できることが考えられる。
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