Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,ポータブルL-バンドESR装置を開発し,フィールドワークで使用することによって,フリーラジカルが環境へ及ぼす影響をリアルタイムで評価する方法を研究する.具体的には,磁気回路・共振器・マイクロ波回路部等を小型軽量化したL-バンドESR装置を新規に開発し,ディーゼル排気微粒子(DEP)中に含まれるフリーラジカルの動態を実時間レベルで追跡することである. 今年度は,「マグネット一体型L-バンドESRプローブ(1)」,「マイクロ波回路(2)」,「ロックインアンプ(3)」,「磁気回路駆動用電源(4)」の開発を行った.(1)については,ネオジウム永久磁石を用いて,従来の電磁石型に比べると体積比80分の1,重量比25分の1程度の小型化をはかった.(2)については,高性能低雑音アンプ(米MITEQ社製)を中心としたマイクロ波回路により,従来の回路に比べると10%程度の感度向上が可能になった.(3)については,モジュール部品を基に製作した結果,市販品に比べると体積比14分の1,重量比13分の1程度の小型化ができた.(4)については,磁場掃引用電流制御型電源および磁場変調用パワーアンプをディスクリート部品中心に仕様の最適化を図り,小型化をした.既に完成している小型発振器と今年度の製作部品を用いることによって装置全体が完成し,総体積および総重量は,700×500×450mm,50kg程度になり,従来の装置の体積比5分の1,重量比10分の1程度の小型軽量化を実現した.応用として,実際にDEPを測定した結果,S/N2程度のESR信号を得ることができた.さらに,本装置を水産試験場に持ち運び,サクラマス魚卵に投与したスピンプローブの酸化還元機能計測を行った結果,従来法では観測することの出来なかった魚卵の酸化還元平衡状態を観測できた.
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