ウイルスコードタンパク質の構造と機能および複製機構の解明
Project/Area Number |
02J20024
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
分子生物学
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 恭二 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | イネ萎縮ウイルス / 構造タンパク質 / 非対称2量体 / バキュロウイルス発現 / 自己組織化 / self-assembly |
Research Abstract |
イネ萎縮ウイルス(RD「V)のP3タンパク質は単独で内殻様粒子を形成する。近年の結晶構造解析の結果、内殻粒子は60個の非対称2量体(P3AとP3B)により構成されていることが明ちかになり、P3BのN末端のP3Aへの挿入が内殻粒子の基本単位である2量体の形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。そこでP3タンパク質のN末端領域のウイルス粒子構築における役割を明らかにするため、N末端を欠失させた数種のP3タンパク質を発現させ、内殻様粒子の形成について調べた。その結果、N末端の2-10及び2-29のアミノ酸を欠失させたP3タンパク質は内殻様粒子を形成したが、2-52の領域を欠失させたものでは形成しなかった。以上の結果からN末端の52アミノ酸から構成されるポリペプチドはRDVの内殻粒子の自己構築に必須であることが明らかになった。MgC1_2処理において、純化RDV粒子と完全長のP3タンパク質から成る内殻粒子縁2.6Mで破壊されたのに対し、2-10アミノ酸を欠失させたものは2.4Mで、2-29欠失させたものは更に安定性が低く、2.3Mで破壊された。そこでこれらの結合エネルギーを計算したところ、RDVの内殻粒子の非対称2量体では207.3kcal/molであったのに対し、N末端の2-52アミノ酸を欠失させたものでは92.2kcal/molまで減少していた。以上の結果から、P3BのN末端のP3Aへの挿入による非対称2量体の安定化はRDVの内殻粒子構築において重要な役割を果たしていることが明らかになった。薄いタンパク質層である非対称2量体の形成は、ポリメラーゼやゲノムRNAを収納するための大きな空間を粒子内に作り上げるために必要であり、同様の構造を持つことが同じ科のウイルスにおいて報告されていることから、このような構造単位の形成はレオウイルスの粒子構築において重要な役割を果たすものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)