Project/Area Number |
02J20108
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
無機材料・物性
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 靖彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 物質プロセス研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 正極材料 / 単結晶 / リチウムマンガン酸化物 / フラックス法 / X線回折 / 電子密度分布 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
コバルト酸リチウムLiCoO_2は、リチウムイオン二次電池の正極材料として用いられており、既に実用化されている。しかしながら、環境問題等の理由から、他の遷移金属を用いた代替物質に関しての研究が進められている。特に近年では充放電容量の改善を目指した固溶体物質であるLiMn_<1-x>M_xO_4(M : Metal)の研究が活発になっている。現在までの研究では、粉末試料による研究がほとんどであるが、詳細な結晶構造や物性等に関する研究を進めるためには、単結晶試料による研究が必要不可欠である。そこで単結晶試料合成法の確立、結晶構造・電子密度解析、物性測定、第一原理計算手法による電子状態の理論計算と実験との比較、検討により、LiMn_<1-x>M_xO_4を中心としたアルカリ遷移金属酸化物の結晶構造、電子状態の詳細を明らかにすることを目的として研究を遂行した。 現在までの研究実施状況としては、固溶体であるLiMn_<1-x>M_xO_4を研究するための基礎データとして、立方晶スピネルLiMn_2O_4に関する研究結果を、日本結晶学会誌誌上に報告した。本研究により、困難であったこれら物質の単結晶合成に成功するとともに、結晶構造、電子密度分布の詳細を明らかにした。また、第一原理計算の適用により、X線結晶構造解析結果と、理論計算結果との整合性を明らかにすることに成功した。 また、独自に開発した低温溶融塩法により立方晶スピネル型LiMn_<1-x>Ni_xO_4単結晶の合成を行い、共同研究により単結晶合成に成功し、単結晶構造解析結果を報告した。しかしながら、現在までに得られている単結晶試料は、Liイオン位置への金属イオンの混入等の理由により、完全な単結晶試料を得るには至らなかった。従って詳細な物性、電気化学特性、電子状態等を明らかにするためには、現在の単結晶合成技術を最適化し高品質な単結晶試料作製の必要があるが今後の研究課題としたい。
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