TGFB1遺伝子の骨代謝特に骨粗鬆症に対する役割の研究
Project/Area Number |
02J61451
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Human genetics
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 晃 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 骨系統疾患 / Camurati-Engelmann Disease / TGF-β1 / キメラマウス / 相同組換えES細胞 / 顕微授精 / transforming growth factor-β1 / latency associated peptide / 骨リモデリング / 骨粗鬆症 / モデルマウス / トランスジェニックマウス / 新規突然変異 / SNP |
Research Abstract |
様々な骨系統疾患の一つに、Camurati-Engelmann Disease(CED)がある。これは進行性骨幹異形成症ともよばれる骨系統疾患で、長管骨や頭蓋骨の過剰な骨膜性骨形成のため著明な骨皮質の肥厚と長管骨の紡錘形肥大を特徴とする。報告者はCEDの原因遺伝子がtransforming growth factor-β1(TGF-β1)であることを明らかにした。同定した変異はすべてTGF-β1の活性を抑制する潜在型結合蛋白(LAP)とよばれる領域に局在し、TGF-β1の二量体形成に関わる2つのシステイン残基とその近傍に集中する。これら変異のうちCED患者で最も高頻度にみられるR218Cを導入した遺伝子改変マウスの作製と変異TGF-β1の機能を調べることを目標に研究を行っている。またCED患者の新規変異の解析も行った。 1.Tgfb1改変マウスの作製 Camurati Engelmann病患者で最も高頻度にみられるR218C(218番目のアルギニンがシステインに置換)の変異を導入した相同組換えES細胞を2002年度にすでに単離しキメラマウスの作製を行った。このキメラマウスは不妊でありヘテロマウスの作製までに至らなかった。このため新たに3クローンを単離し、キメラマウスの作製を再度行った。このクローンから生まれた9系統のキメラマウスもまた不妊であった。詳しい原因は分からないが相同組換えES細胞由来の生殖細胞から作られる精子の運動性の喪失が起こっていると考えられる。これを克服するために顕微受精の準備をしており、それでもヘテロマウスが生まれてこない際に備えてコンストラクトのデザインと作製をやり直している。 2.変異TGF-β1の機能解析 野生型TGF-β1とCED患者で見つかった変異(Y81H,R218C,R218H,C223R,C225R)をもつcDNAを発現ベクターに組み込んだ。発現ベクターには強制発現用にpcDNA3.1(-)を、テトラサイクリン誘導発現用にpTRE-hygを用いているTGF-β1を組み込んだ強制発現系ベクターをヒト正常骨芽細胞に導入したところ、細胞の増殖が抑制された。これは現在解析中である。テトラサイクリン誘導発現系は注文した細胞が届かないために研究が停止している。 3.新規変異解析 論文掲載以来新たなCED患者をみつけ、変異解析を行ったところ新規変異C223RとC223Gを同定した。この結果はAmerican Journal of Medical Geneticsに近日掲載予定である。 4.その他の骨系統疾患モデルマウスの作製 長崎大学医歯薬学総合研究科に就職後に、新たに単離された骨系統疾患X(論文投稿中のため名を秘す)のモデルマウスの作製を開始した。コンストラクトの作製は終了した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)