癌細胞のFasシグナリング耐性を克服する物質の探索
Project/Area Number | 02J61465 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Research Fellow |
吉本 由哉 財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究センター・沼津創薬医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost : ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003 : ¥1,200,000 (Direct Cost : ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002 : ¥1,200,000 (Direct Cost : ¥1,200,000)
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Keywords | Fas / Fasリガンド(FasL) / ドキソルビシン / アドリアマイシン / lpr / gld / スクリーニング / 抗腫瘍免疫 / FasL |
Research Abstract |
癌細胞のFas耐性機構を阻害する薬剤は、細胞障害性T細胞などを介した抗腫瘍免疫への感受性を回復させることにより抗腫瘍効果を発揮する可能性がある。そこで癌細胞のFas感受性を回復させる物質を探索する系を構築し、活性物質の探索を行った。Fas感受性の回復は、ヒト肺腺癌A549細胞を細胞障害性抗Fas抗体で刺激した際の細胞死を指標として評価した。 1.ドキソルビシンの治療効果へのFasの関与 既存の抗癌剤がFas感受性に与える影響を検討したところ、ドキソルビシン(DOX)はA549細胞のFas感受性を回復させた。このことはDOXの抗腫瘍効果には癌細胞のFas感受性の回復が関与している可能性を示唆する。そこでA549細胞と同様に、DOXによりFas感受性が回復するマウス肺癌3LL細胞を同系マウスC57BL/6に移植して治療効果を検討した。3LL腫瘍のin vivo増殖はDOX投与により有意に抑制されたが、機能的なFasリガンドを欠くC57BL/6-gldマウスではDOXの治療効果は認められなかった。さらにDOX投与により3LL腫瘍でのFasの発現が増大していた。DOXの抗腫瘍効果は一般に、DNA、RNA合成阻害による細胞増殖抑制によると考えられている。しかし今回の結果から、マウス3LL腫瘍モデルにおけるDOXの治療効果は主に、癌細胞のFas発現と抗腫瘍免疫によると考えられた。 2.活性物質の探索 微生物培養液から探索を行い、新規物質f13102-Aを単離した。そこで抗腫瘍効果をマウス3LL腫瘍モデルで検討したところ、f13102-Aの投与によって3LL腫瘍の増殖は最大30%抑制された。マウス3LL腫瘍モデルにおいてはFasを介した抗腫瘍免疫が深く関与していることより、f13102-A物質は3LL腫瘍のFas感受性を増大させることにより抗腫瘍効果を発揮した可能性が考えられる。
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Report
(2results)
Research Products
(3results)