Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
前年度は臨床検体(急性骨髄性白血病,肺癌)におけるSOCS-1遺伝子のメチル化と,その意義について報告した.本年度はin vitroにてSOCS-1がどのように癌化に関与しているかを検討した.SOCS-1は通常の細胞においては発現量が低く抑えられているが,サイトカイン刺激によって急速に発現誘導がもたらされる.そこで,DNA損傷によって誘導されるかどうかを検討したところ,ある種のgenotoxic stressによって誘導されることが明かとなった.この発現誘導は,p53欠損細胞株においてもみられることからp53非依存性のものと考えられた.発現誘導のピークはDNA損傷刺激後2時間であり,8時間後にはSOCS-1の発現誘導が減弱することから2次的なサイトカイン産生に伴うものではなく,DNA損傷シグナルによる直接の誘導である可能性が示唆された.細胞周期について野生株マウスおよびSOCS-1ノックアウトマウス由来の胎児線維芽細胞(MEF)で検討した.SOCS-1ノックアウトマウス由来のMEFにおいてはS期の増加がみられ,G1期停止の異常が予想された.現在,SOCS-1ノックアウトマウスにDNA損傷の刺激を加えることによって発癌誘導がもたらされるかどうか検討中である.また,マウスにおける発癌誘導にSOCS-1のヘテロ欠損が関与している可能性について検討するため,種々のノックアウトマウスとのかけあわせをおこなった.発癌に関しては明らかな差は認めなかったものの,SOCS-1ヘテロ欠損の導入により肥満に対し抵抗性になることが示された.発癌メカニズムに加え,SOCS-1のin vivoにおける肥満に対する役割についても検討中である.
|