Project/Area Number |
02J83205
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物物理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚田 幸治 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | RNA / QBファージ / 大腸菌 / 自己複製 / パラサイト / メタファージ / 共生 / DNA |
Research Abstract |
QβファージはF繊毛を有する大腸菌に特異的に感染するleviviridaeに属するRNAウィルスである。Qβファージのゲノムは非常に単純な一本鎖RNAで4種のタンパク質をコードしており、そのうちの1つが、自身のゲノムを特異的に複製するRNA複製酵素(Qβレプリカーゼ)を構成するタンパク質であり、鋳型RNAの特異性や活性発現にもっとも重要なサブユニットである。本研究の目的のためには、この酵素の働きの大腸菌内維持とともに、その活性維持自体がRNA複製活性に依存する関係、つまりRNA自己複製系の大腸菌内持続存続系の構築を要する。その第一歩として、大腸菌内のRNA複製酵素活性を評価できるか少なくとも存在を容易に判定できる実験系の導入が急務であった。主に、以下の2項目について研究を段階的に遂行した。 (1)プラスミドDNAによるQβレプリカーゼの大腸菌内導入を用いて、プラスミドのreplication origin関連に基づくRNA複製酵素反応の持続存在を保証し、その上でレプリカーゼ活性を保持した大腸菌を選択できる実験系を構築した。レプリカーゼ活性の供給が大腸菌生育に不可欠である関係を大腸菌に導入した。現在、このシステムの特性を変異レプリカーゼの活性スクリーニングに適用し、大腸菌内で活性を有することが保証されたレプリカーゼ変異体の選別などを導入した一連の研究が進行している。 (2)一方、1960年代に報告のあるQβファージと大腸菌の持続感染系、及び、擬似溶原化(メタファージ)状態の確立を目指し、再感染阻害の意味を持つ抗Qβ血清存在下で、大腸菌(A/λ、F+)とQβファージとによる持続感染培養系を導入している。これにより、ファージRNAゲノム自身が有するRNA自己複製系としての性質に加えて、持続存在が狙える。ゲノムRNA由来のレプリカーゼ機能の判定は、(1)で導入したシステムを保有する大腸菌にファージを持続感染させることで判定できる。
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