Project/Area Number |
03269206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大西 耕二 新潟大学, 理学部, 助手 (30018668)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 自己複製型RNA生物個体 / 共生社会 / 遺伝装置の起源 / 半tRNA / リボザイム / リボゾ-ムRNA / プロテイナ-ゼ・インヒビタ- / ペプチジルトランスフェラ-ゼ領域 |
Research Abstract |
様々なRNAや遺伝子の塩基配列や蛋白質配列などを,デ-タベ-スや幾つかのプログラムやドット・マトリッス法等を用いて比較・解析した結果,原始的tRNA様の自己複製型RNA個体がどのような個体間協力行動によって遺伝装置を進化させたかについて,以下の発見をした.パソコンは配列解析や大型計算機端末として用い,レ-ザ-プリンタ-を活用した.幾つかのジャ-ナルで配列デ-タや分子進化学等の最新情報を得た. [I](1)ウィルソイドやM1 RANのようなリボザイムが大腸菌rrnDオペロンの[5SrRNAーtRNA^<Thr>ー5S rRNA]をコ-ドする領域と相同であって,原始的プレrRNAに由来し、ウィルソイドは利己的に進化したリボザイムである.(2)tRNAは半tRNA(約36塩基)の重複で生じ,5S rRNAや上述のリボザイムも半tRNAを構築ブロックとする.半tRNAは初期の自己複製型RNA生物個体であった可能性が高い.(3)最初のアンチコドンは"CCA".(4)様々なRNAや遺伝装置(或いは細胞)は近縁な半tRNA生物の共生社会であった可能性がある(また,個体性と汎文化の階層的進化に関する仮説を述べた).(5)ペプチド鎖を延長する時のペプチジルトランスフェラ-ゼ(PT)反応を行う場所である23S rRNAのPT領域は5S rRNAと相同である.(6)RNAによる原始蛋白合成モデルを提唱する予定(Endocytobiolgy V). [II]リボヌクレア-ゼP蛋白のmRNAはtRNAや5S tRNAのブロックから成る原始的mRNAと考えられるが,プロテイナ-ゼインヒビタ-(Bowman‐Birk型やシスタチン等)もこの蛋白と相同であることが分かり,原初蛋白が,初期RNA個体の個体間相互作用系や(RNA同士の)食う・食われる関係で果たした役割を論ずるための基礎知見を得た.細菌キチナ-ゼ等に含まれるtypeIII配列と免疫グロブリン型ドメインとの相同関係を発見した.これは細胞個体の(糖鎖認識に基く)同類認知システムが,多細胞化などの共生的進化で果たした役割等に関する展望を開くと思われる.
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)