鶏卵加工廃棄物からのシアル酸の工業的新製造法の開発
Project/Area Number |
03556039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 敞敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 武祚 太陽化学(株), 総合研究所, 部長
菅原 弘 東北大学, 農学部, 教務職員 (80089797)
戸羽 隆宏 東北大学, 農学部, 助手 (10108483)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | シアル酸 / N-アセチルノイラミン酸 / カラザ / 卵黄膜 / 鶏卵 |
Research Abstract |
シアル酸は生化学試薬として、また医薬品製造のための出発原料として、近年需要が急増しているが、その製造のための原料は、ツバメの巣などのごく限られたものとなっており、安価で大量の製造が困難な状況にあった。卵処理工場において卵成分の濾過の際に得られるカラザや卵黄膜の中には、多くのシアル酸が含まれていることに気付いたので、これを原料として工業的規模でシアル酸を製造することを試みた。 これらの成分中には、シアル酸として代表的なN-アセチルノイラミン酸が高濃度で含まれているので、これを取り出すことを実験室的規模で検討した。原料を硫酸酸性下で加熱してシアル酸を遊離させ、陰イオン交換樹脂に吸着させたのち、ギ酸で溶出させ、減圧乾固、活性炭処理を行なった結果、湿カラザ試料100gより約50mg,湿卵黄膜試料100gより約175mgのシアル酸を得ることができた。 これらの検討をもとに、つぎに大規模工業的製造のための製造テストを行なった。原料としては、カラザおよび卵黄膜部の混合試料800Kgを使用して、実験室的検討で得られた工程に従って処理を行なうことにより精製N-アセチルノイラミン酸を約300g得ることができた。現在試薬として市販されているN-アセチルノイラミン酸の価格は、1g約3万円と非常に高価であるが、卵は世界的に広く分布した食品であり、しかも卵の加工工場で得られるカラザや卵黄膜部は、従来は利用されず廃棄されていた部分である。従って原料は非常に安価であり、シアル酸の含量はかなり高く、かつ分離のための処理工程も比較的簡単であることから、本法によって今後はシアル酸の大量かつ安価な製造が可能となり、シアル酸を用いての研究や医薬品製造が容易になるものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)