分子層制御スパッタ方式によるジルコン・チタン酸鉛膜のエピタキシヤル成長
Project/Area Number |
03650252
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
深海 龍夫 信州大学, 工学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 光男 信州大学, 工学部, 助教授 (10020976)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Keywords | 反応性スパッタ / 強誘電体膜 / マグネトロンスパッタ / PZT / ペロブスカイト / 原子層エピタキシ- |
Research Abstract |
タ-ゲット下部に電磁石よりなる第三磁極を設けたスパッタ装置を用い、鉛、チタン、ジルコニウムで構成された複合タ-ゲットと組み合せ、鉛およびチタン・ジルコニウムを交互に反応性スパッタする方法でPZT膜の堆積を試みた。このとき、チタン・ジルコニウムの一周期スパッタ時間T_<Tz>を8sまたは10s一定とし、鉛のスパッタ時間Tpbを変化させて1サイクル当りの膜の成長量を測定した。その結果、基板温度が500℃のとき4〜5A^^°の値で平坦となる特性が現われ、自己制御モ-ドの実現していることが確められた。X線回折の観察からは、基板温度が500℃、550℃では膜がc軸配向し(ool)のピ-クのみを示すが、450℃では他のピ-クも現われ配向性の乏しいことがわかった。一般にペロブスカイト構造のPZT膜を得るためには600℃以上の基板温度が要求され、500℃程度のときにはパイロクロア構造が現われることが知られている。本研究では500℃とこれまでより低温で配向したPZT膜が得られ、しかも投入電力が50Wである限りさらに低温においてもパイロクロア構造は現われることがなかった。 得られた膜の電気的特性を測定したところややひずんだヒステリシス曲線が観察された。これは膜中に何らかの格子欠陥が存在するからであると考えられ、次にさらに成長速度を減少させて、完全性の高い膜が得られる条件を模索した。ところが酸素分圧等の条件を同一に保持したまま放電電力を20Wまで下げると膜中の鉛濃度が著しく増加してペロブスカイト以外の相も現われた。これは反応スパッタでは成長速度が変わると同じ酸素分圧であってもスパッタ粒子の酸化の程度が変動し、ひいては膜全体の組成にも大きく影響するものと解釈される。以上、より低温で配向膜が得られるなど本方法の優位性を立証でき、また、反応性スパッタでは成長速度が組成に影響する興味ある知見が得られた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)