セルロースを主成分とする易崩壊性ポリマーブレンドに関する研究
Project/Area Number |
03650735
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性・高分子材料(含機械材料)
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
西岡 昇 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20121858)
|
Project Period (FY) |
1991 – 1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | セルロース / ポリマーブレンド / 相溶性 / 相溶化剤 / グラフト共重合体 / 熱重量測定 / セルロ-ス / ポリマ-ブレンド / 熱分解測定 |
Research Abstract |
本研究では分解性高分子材料設計のための一手段として、生物分解性の天然高分子であるセルロースを主成分とする汎用合成高分子とのブレンド体を取り上げた。これら二種の高分子で相溶性(混和性)の良好なブレンド体を作り相分離構造を細かくする事が出来れば、廃棄後微生物によってセルロース部分のみが分解された場合、ブレンド体はスポンジ状の多孔物質となり脆く壊れ易いプラスチックが残る事になる。しかしながら一般にセルロースと合成高分子は相溶性に乏しいため、希望するような物性をブレンド体に付与する事は困難であった。本研究ではセルロースと合成高分子の二成分からなるグラフト共重合体を相溶化剤としてブレンド体に添加し、相溶性の変化を検討した。ブレンド体の相溶性は高分子鎖のミクロブラウン運動が凍結される温度として定義されるガラス転移温度によって判定される。しかしながらセルロースは分子間の水素結合のために昇温すると主鎖の分解が先に起こり、明確なガラス転移現象を示しにくくガラス転移温度の測定は困難であった。本研究では、セルロースを含むブレンド体の相溶性の新しい判定法として熱分解重量法が有効である事を見いだした。高分子固体の熱安定性は主に結晶化度に依存する。相溶性の向上とともに共存する合成高分子鎖がよりセルロース鎖に接近する事が出来るようになり、セルロースの結晶化が妨げられたためと考えられる。本年度はグラフト生成物全体を相溶化剤と見なして、相溶化剤濃度を大きく変化させた。相溶性の変化と熱安定の低下を関係づける事が出来た。今後相溶化に及ぼす相溶化剤であるグラフト共重合体の分子構造、分子量、重量分率等の関係を明確にしていく必要があろう。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)