亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスの持続感染機構
Project/Area Number |
03670232
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 一也 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30072888)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | SSPEウイルス / 麻疹ウイルス / 持続感染 / 脳炎 |
Research Abstract |
SSPEウイルスの持続感染モデルとして欠損性ウイルス産生を特徴とするYamagataー1株感染Vero細胞についてウイルスクロ-ンの分離を試みた。その結果、遊離ウイルスの産生が見られないYAクロ-ンと遊離ウイルスの産生が見られるYFクロ-ンの2種が得られた。これら2クロ-ンについて単クロ-ン抗体による構成蛋白エピト-プの解析を行なったところ、両者間に差は見られなかった。両クロ-ンともに血球吸着活性を示し、H蛋白が正常な機能を有することが示唆された。Western blotにより構成蛋白産生量を比較したところ、YAクロ-ンでM蛋白の産生がYFクロ-ンよりも低いことが明らかとなった。一方、P+M dicistronic mRNAとM mononocistronic RNAの比を求めた結果、YAクロ-ンの方が約2倍の高値を示した。 P遺伝子とM遺伝子の解析を行なった結果、両クロ-ン間でP遺伝子には差は認められず、またPとM遺伝子間のintercistronic配列にも差は見られなかった。しかし、M遺伝子では7か所にpoint mutationが見出され、いずれもTーCまたはAーGの置換であった。open reading frameでの終止コドンはYAでは1083ー1085であったのに対して、YFクロ-ンでは1068ー070であった。その結果、YFクロ-ンで産生されるM蛋白は5アミノ酸小さいことが推測された。以上の結果、P+M dicistronic mRNAの過剰な産生がYAクロ-ンにおけるM蛋白の産生低下をもたらし、遊離ウイルス産生の欠損の原因になっていることが推測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)