消費者視角からみた現代日本流通の構造的特質の分析と独禁政策の再検討
Project/Area Number |
03803011
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
商学・経営学
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
西村 多嘉子 大阪商業大学, 商経学部, 教授 (10098064)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1991: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 流通政策と消費者問題 / 消費者の権利 / 独禁政策 / 公正取引委員会 / 消費者法 / 消費者省 / 消費者オンブズマン / ハ-バ-ド学派とシカゴ学派 |
Research Abstract |
1980年代中頃から顕著となった、日本の取引慣行にかんする政府規制の変更(緩和・強化)はStructural Impediments Initiative(SII)によって一層加速されてきた。以後、「follow up会議」を重ねるなかで、消費者の利益、外国企業や外国製品の日本市場への参入、公正取引委員会を中心とする独占禁止法政策の強化などが、重要な検討課題としてとりあげられてきた。これらの流通問題群は、いずれも「消費者の利益と経済民主主義」という論点をもっている。 たとえば、独占禁止法はその目的と性格上、法律学と経済学の両分野を包含している。ところが、日本においては、その内容の具体的性格からみて、アメリカの「反トラスト法」におけるハ-バ-ド学派とシカゴ学派との立場の相違を典型とするような司法係争点の発生をいまだみてはいない。とはいうものの、その運用については取引主体としての消費者の地位や権利にかんして、具体的な検討は未だ深められているとはいいがたい。 また、公正取引委員会の業種別審決集の「違反事件審決」の内容は、「流通」そのものの事件というよりは、「流通段階」をタ-ゲットとする、整造段階での「流通系列化」をはじめとする、カルテルの諸類型を中心とする事件にほかならない。さらに、消費者の取引の自由と、取引地位の対等性の実現には、まずその阻害要因と現状の分析が重要であるが、その前段階として、行政権限をももつ「消費者オンブズマン」などによる取引実態の把握と情報の収集、それらを総合的に分析しつつ政策決定しうる「消費者省」の創設、そして消費者問題と流通問題および生産問題とに法律上の統一性・普遍性をもった「消費者法」の制定をも構想される必要がある。 以上、流通経済学と消費経済学の交差領域を課題として『増補・現代日本の消費者と流通』を出版した。
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Report
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Research Products
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