書字スリップの誘発実験による運動記憶のネットワ-ク構造の解明
Project/Area Number |
03831002
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
認知科学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仁平 義明 東北大学, 教養部, 教授 (10007833)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1991: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 急速反復書字 / スリップ / 活性化 / 運動記憶 / ネットワ-ク(記憶の) / わりこみトリガリング |
Research Abstract |
1)急速反復書字によるスリップの発生メカニズム 特に書字速度を独立要因とした実験結果から、急速反復書字によってスリップが発生する原因は、次のようなものから構成されることが明らかになった: (1)急速な書字では、活性化された書字運動プログラムのうちトリガ-すべき運動記憶の選択機構が障害される。 (2)活性化された不適切な運動記憶の抑制機構も急速という条件によって同時に障害される。 (3)運動記憶のネットワ-クを通じて不適切な運動記憶に波及した活性化の水準が時間的加重によって高進する。従ってトリガ-されやすくなる。 (4)反復は自動的なトリガ-部分だけをくりかえすことになるため、選択機構の機能低下が生じる。 2)スリップがあらわれるときの書字時間インタ-バルは短縮される傾向があり、「わりこみトリガリング」によってスリップが生じることが示唆された。 3)ネットワ-ク内の活性化の波及 ・活性化は書字対象の文字とリンクしている単一の文字だけではなく、ネットワ-ク全体に波及することがスリップの出現様式から分かる。ネットワ-ク内の書字運動記憶には、このようにきわめて密接なリンクがある。 4)文字の運動記憶は、単純なネットワ-ク構造になっているのではなく、文字のための違った種類の運動記憶からなる重層的なネットワ-クを形成している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)