Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
本研究は,従来の斜面安定解析評価の基本的な問題点を,新しい情報技術であるGISを導入して解決し,より合理的な斜面安定評価システムを開発しようとする試みである.以下の研究をした: (1)解析理論の開発: (1)Slope Unitの区分〜複雑な広域の地形の中から,安定解析を行うための同じ傾斜方向を持つ領域を区分するGIS解析手順; (2)三次元解析用の地形,地質区分,地下水位,不連続面などのベクトル,ラスターデータの準備;それぞれのSlope Unitに対して,三次元斜面安定解析を自動的に行えるシステムを開発した.ここでは,すべり体の形状を楕円球体として,その楕円球体と地盤の交差面をすべり面とし,各Unitの傾斜角度,傾斜方向に合わせて,楕円球体の空間姿勢を自動的に調整する.すべり体の安全率の計算は,改良したHovlandの三次元の計算方法を用いる。地盤内の地下水位,地層区分,断層などの不連続面も考慮することができる. (3)すべり体を楕円球体と仮定し,Slope unitの傾斜方向に空間姿勢を調整する座標変換; (4)楕円球体の曲率と楕円球体の空間位置をモンテカルロ法を用いて乱数により変化させ(幅,すべり深さの短軸の長さ,短軸と長軸の比),最もすべりやすいすべり体を特定する.そして,一定間隔の格子毎に安全率を計算して,すべてのSlope Unitにおいて,安全率が最小となるすべり体を特定する. (2)三次元解析の検証〜過去に行われた単純な三次元解析結果と比較して妥当性を検証。 斜面安定評価システムを用いて以下の実例を適用している: 1 福島県国道49号線沿いの道路斜面の事例 レーザープロファイラーで取得した地形データ,および無数の貫入試験より得られた風化厚さの分布データをもとに不安定すべり体の位置と規模(幾何形状)を抽出した. 2 土木学会: 2003年7豪夜雨災害調査・熊本県水俣市の事例 風化安山岩に発生した斜面崩壊の逆解析結果から,広域の斜面の中から,今後崩壊可能性のあるすべり体の位置と規模を推定した.
|