Project/Area Number |
03F00066
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHENG Guodong 広島大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Re-Os同位体系 / ペルム紀-三畳紀境界 / チャート / 堆積物標準試料 / 多摩川 / 河口域堆積物 |
Research Abstract |
本研究では、ペルム紀-三畳紀境界(P-T境界)に海底で堆積したチャートに対して、レニウム-オスミウム(Re-Os)同位体系を適用し、P-T境界における海洋環境の全地球規模変動に関する研究を行うことが最終的な目的である。本年度は上記テーマの基礎的な研究として、以下の研究を行なった。研究実績の概要は次のとおりである。 1.堆積物試料のRe-Os同位体系の分析方法の検討 堆積物標準試料を用いてRe-Os同位体系の分析方法の検討を行なった。Os濃度が50ppt以上の試料においては、再現性のある結果が得られた。 2.現在の河口域の堆積物におけるRe-Os同位体系の化学的挙動の検討 東京湾に注ぐ多摩川と別府湾に注ぐ八坂川の河口域の堆積物について、Re-Os同位体系の研究を行なった.多摩川河口域の堆積物(深度0-50cm)においては、20cmよりも浅い堆積物では、Os濃度が50ppt以下であるが、25cm-50cmの堆積物では、約100ppt程度とOs濃度に深度による変動が認められる。一方、^<187>Os/^<188>Os比は深度によらずに、0.3-0.4と低い値である。Os濃度及びOs同位体比から、多摩川河口域の堆積物は人為的汚染の影響が考えられる。Os濃度の深度分布に関しては、還元的条件下でのイオウ還元バクテリアによる硫化鉄の生成が、25cm以深の堆積物のOs濃度増加と関連があると考えられる。 一方、八坂川河口域の堆積物(深度0-50cm)では、^<187>Os/^<188>Os比が0.7と大きな値を示す試料のOs濃度は10ppt程度と低く、^<187>Os/^<188>Os比が0.2-0.4と小さな値を示す試料のOs濃度は25-30pptと大きな値を示す。各々の供給源が異なることが考えられる。 現在の河口域の堆積物に関する本研究は、Re-Os同位体系のデータが堆積物の供給源や堆積環境の酸化還元状態を反映していることを示し、地質時代のチャートなどの堆積物のRe-Os同位体系研究データ解釈の基礎となる。
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