Project/Area Number |
03F00100
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生物物理学
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
北川 禎三 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAHINAY Myrna Sillero 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 紫外共鳴ラマン / p53 / ガン抑制因子 / 共鳴ラマン |
Research Abstract |
本課題の研究対象であるDNA結合蛋白のなかで、まずMerRの単離精製を試みたがうまくいかなかったので、第2候補の亜鉛感受性p53蛋白を取り上げた.p53はガン抑制因子と呼ばれ、DNAの複製や細胞の成長、細胞の分裂などに関わる蛋白質である。ガン細胞にはp53の変異体が多く蓄積することから、この蛋白質が正常に機能していることで腫瘍やガンの成長を抑制していると考えられている。p53に関しては細胞レベルで多くの研究が行われているが、分子レベルでその機能を明らかにした研究は今のところない。そこで本課題ではp53の情報伝達メカニズムを紫外共鳴ラマン分光法を用い、分子レベルで明らかにする。 American Type Culture Collectionより入手したヒトのp53のcDNAからDNA結合ドメインをPCRで増幅し、発現ベクターに組み込み、大腸菌での発現系を構築した。DNAから蛋白質への翻訳は3つのヌクレオチドからなるコドンを介して行われるが、真核生物と原核生物では同じアミノ酸でも好んで使用されるコドンが異なるため、真核生物の蛋白質を原核生物である大腸菌で発現させる場合、発現効率が悪いことがある。ヒト由来のp53を用いた本研究でも、発現量が極めて低く、初めは培地1Lあたり0.2mg程度の精製蛋白質しか得られなかった。そこで最適な大腸菌種の選択や発現条件の最適化を行うことで、当初の10倍以上である10mg/培地1L程度の収量が得られるようになった。精製蛋白質は金属を含まないアポ蛋白質だったので、ZnやCu,Niで再構成した。 アポ蛋白質の紫外共鳴ラマンスペクトルを測定したところ1478cm^<-1>にトリプトファン由来と思われる強いバンドが観測されたが、Niを再構成した蛋白質では、1398cm^<-1>にシフトしていた。現段階ではまだ詳細を議論できる程の良質なスペクトルが得られていないので、今後は更に蛋白質の精製量を増やし、スペクトルを測定すると共に、変異体を作製し、p53の情報伝達メカニズムを明らかにしていく予定である。
|