破骨細胞死の制御機構:RNAi法を用いた分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
03F00145
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
形態系基礎歯科学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 敏夫 九州大学, 歯学研究院, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANDRA Ferry 九州大学, 歯学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | カフェ酸 / 骨肉種細胞 / アポトーシス / 破骨細胞 / TRAF6 / NFκB |
Research Abstract |
歯は歯根膜を介して骨に接着しており、骨を健全に保つことが歯を機能させるために不可欠である。骨は常に改造され続けている非常に動的な組織であり、骨吸収細胞である破骨細胞による骨吸収が骨改造の中心的な役割を果たしている。この破骨細胞の分化や機能に異常が生じると骨はたちまち病的な状態に陥る。破骨細胞は骨髄中に存在する造血系幹細胞に由来する大型で多核の細胞であるが、骨吸収を行なった後、細胞死に陥るとされている。しかしながら、破骨細胞が形成された後、生体内でどのぐらい機能を持ったまま生存できるのか?という点や、破骨細胞の死のメカニズムなどについては殆どわかっていないのが現状である。本研究では破骨細胞に特有の死のメカニズムを解明し、破骨細胞死の制御を基盤とした新しい骨吸収制御法の開発を行なうことを目的とする。具体的には、破骨細胞の死において機能するアポトーシス誘導分子の検索を行ない、検索された分子について、最近、世界的に広まりつつある特異的遺伝子発現制御法であるRNAi法を用いて発現を特異的に阻害し、破骨細胞死への関与を証明する。本研究では第一の目的として、試験管内での破骨細胞分化にアポトーシスを誘導する物質の検索を行った。破骨細胞分化に必須の核内転写因子NFκBの機能を阻害するカフェ酸について検討を行った。カフェ酸は骨肉腫細胞のアポトーシスを誘導したが、破骨細胞の細胞株であるRAW264細胞のアポトーシスを誘導することはできなかった。しかしながら、カフェ酸は破骨細胞分化を顕著に阻害した。破骨細胞分化にはシグナル伝達蛋白質であるTRAF6が重要であるが、カフェ酸は破骨細胞分化におけるTRAF6の発現を特異的に抑制することを明らかにした。カフェ酸が骨肉腫細胞のアポトーシスを誘導するメカニズムを明らかにするとともに、破骨細胞ではなぜアポトーシスを誘導せずに分化を特異的に制御するのか?という新たなる問題点が浮上してきた。破骨細胞のアポトーシスを誘導できるビスフォスフォネートについても解析を進めると共に、これらの問題点についてもRNAi法等を用いた分子細胞生物学的解析を行っているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)