Project/Area Number |
03F00148
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
神経科学一般
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
椛 秀人 高知大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 敬姫 高知大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 匂い / 学習 / CREB / MAPキナーゼ / GABA受容体 / リン酸化 / 嗅球 |
Research Abstract |
記憶・学習という高次の脳機能の解明は、脳科学に課せられた重要課題の一つである。われわれが解析してきた、新生仔ラットにおける匂い学習は、以下の理由により記憶学習研究の優れたモデル系である。ラットは就巣性の哺乳動物なので、生まれたときは耳も聞こえないし、目も見えない。仔はおもに嗅覚と体性感覚に頼って外部環境との関係を発達させる。言い換えると、この時期は匂いの条件付けが強く成立する感受性期なのである。事実、匂いと電撃を30分間1回対提示するだけで、この匂いに対する嫌悪学習が成立する。すなわち、学習成立に明確なtime windowがあるということである。また、匂い情報処理系の最初の中継部位である嗅球に生ずるシナプスの可塑的変化とこの学習が直接に対応している。体性感覚刺激により賦活された青斑核ノルアドレナリン神経の働きを引き金として、嗅球の僧帽細胞から顆粒細胞への興奮性シナプス伝達の増強が深く関わり、この匂い学習が成立すると考えている。 最近、転写因子CREB(cyclic AMP response element-binding Protein)が短期記憶を長期記憶へ移行させるmolecular switchとして機能していることが、ノックアウトやドミナントネガティブ動物の解析から判明している。われわれはアンチセンステクノロジー、行動薬理学的手法、生化学的手法を組み合わせて、CREBの合成とリン酸化が匂いの嫌悪学習に不可欠であることを明らかにした。さらに、CREBリン酸化へと導くキナーゼとしてMAPキナーゼが関わることを明らかにした。 また、嗅球のGABA_B受容体が匂いの嫌悪学習の制御に関わっていることも明らかにした。
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