Project/Area Number |
03F00267
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
無機化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 大学院・資源化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IVAYLA Pantcheva?Kadreva 東京工業大学, 大学院・資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 白金 / ポロン酸 / トランスメタル化 / クロスカップリング / パラジウム |
Research Abstract |
白金ボリルオキソ錯体の合成と性質の研究を行なった。アリール(ヨード)白金錯体にアリールボロン酸と酸化銀とを加えたところ、アリール基とアリールボリルオキノ基とが混合配位した新しい白金錯体が生成した。反応ではヨウ化水素が酸化銀に捕捉されて錯体より脱離し、新たにボリルオキソ配位子が結合したものと理解された。ボリルオキソ錯体の構造は単結晶X線解析、各種NMRスペクトルなどによって明らかにした。白金酸素結合距離、ホウ素・酸素結合距離などの結合パラメーターを解析することにより、新しいボリルオキソ白金錯体の結合様式を考察した。また、ボリルオキソ錯体と同時に溶媒のアセトンが脱プロトン化して配位したアセトニル錯体が生成していることを明らかにした。このアセトニル錯体は置換活性であり、条件を整えるとアリールボロン酸と反応してボリルオキソ錯体に変換される。さらにトリエチルアミンなどの塩基を加えると反応が加速された。このように弱酸であるアリールボロン酸は酸化銀、アミンなどの作用によってボリルオキソ配位子として白金に結合することがわかった。 アリール(アリールボリルオキソ)白金錯体は安定であり、結晶状態でも溶液中でも室温では変化しなかった。しかし、その溶液に酸化銀などの塩基を添加して過熱するとアリールボリルオキソ配位子からBO_2基が脱離してジアリール白金錯体が生成した。アリールボリロキソ錯体の生成とそのBO_2の脱離はボロン酸のアリール基の白金へのトランスメタル化反応に相当し、本研究はトランスメタル化の反応経路を新たに提案、確立したことになる。白金はパラジウムと類似の電子配置をとることから、本研究はパラジウム錯体触媒によるヨウ化アリールとアリールボロン酸とのクロスカップリング(Suzuki-Miyauraカップリング)におけるトランスメタル化反応についても知見を与えるものである。
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