Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
海藻ホソユカリ(Plocamium species)に見出した新規ハロペルオキシダーゼの完全精製を行うことを目的に研究を行った。特に、海藻ホソユカリは日本沿岸部では群生しておらず、精製に十分な藻体が得られないことと、多様な形態を示すことから、富山湾で採集できる数種のホソユカリ並びに類縁種におけるハロペルオキシダーゼの活性測定を行った。同酵素活性は3-methyl-2-buten-1-o1の2-bromo-3-methyl-1,3-dihydroxybutaneの変換をガスクロマトグラフィー(GC)にて測定する。測定に先立ち、標準化合物である2-bromo-3-methyl-1,3-dihydroxybutaneを化学合成し、シリカゲルにて精製し、GC-MSにて構造を確認した。この標準品を使用して測定のための検量線を作成し、分析を行った。活性を有する海藻を確認し、このデータを基に、高知県海洋深層水研究所に海藻の大量培養を依頼した。しかし、同海藻は生育が遅く、他の海藻や単藻類の繁殖のため単藻化には至っていない。現在、新しい藻体を使用して再度培養を試みている。今後、海藻は主に直接採集して使用する予定である。 他方、フジマツモ(Rhodomela larix(Turner)C.Agardh)、イトフジマツモ(Rhodomela subfusca(Woodward)C.Agardh)はともに、臭化フェノール類を多量に蓄積することが知られているにもかかわらず、その機構は未だに不明である。そこで、両者について基質特異的なハロペルオキシダーゼが存在するか否かについて、9種の化合物(L-tyrosine,phenylalanine,O-hydroxybenzyl alcohol,L-DOPA,phloroglycinol,anisole,phenol,shikimik acid,phenylpyruvic acid)について精査した。しかし、一部酸化産物が検出された以外は、臭素化物は認められなかった。現在、さらに反応条件、各種化合物を検討中である。
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