Project/Area Number |
03F00322
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木内 一壽 岐阜大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Hai 岐阜大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 漢方薬 / 低酸素培養システム / サイトカイン / アストログリア細胞 / 脳毛細血管内皮細胞 / アミロイドβタンパク質 / neprilysin |
Research Abstract |
本研究は、血管障害性アルツハイマー病に対する漢方薬の効果を評価するため、独自の低酸素培養システムを用いて、脳血液関門に係わるアストログリア細胞と脳血管内皮細胞、および、中枢神経系での免疫系を担当するミクログリア細胞における遺伝子発現の解析を行うことを目的としている。 本年度は、アストログリア細胞の培養細胞株の一つであるC6グリオーマ細胞に対するIL-1β、IFNγなどのサイトカイン、および、ミクログリア細胞の遊走化因子であるATPに関し、低酸素条件下でのVEGF、GDNF、COX-2、iNOSなどの遺伝子の発現誘導に及ぼす影響についてRT-PCR法を用いて解析した。 C6グリオーマ細胞では、低酸素条件下(1%酸素で4時間培養)で、VEGFおよびCOX-2遺伝子について約2倍の発現誘導が見られたが、GDNF遺伝子は発現が抑制された。iNOS遺伝子は発現量が低く有意差は認められなかった。アルツハイマー病の悪化にともない脳組織内濃度が上昇するIL-1βの作用については、GDNFおよびCOX-2遺伝子の発現誘導が増加し、同時に低酸素状態で培養すると、COX-2遺伝子ではさらに促進されるが、GDNF遺伝子では抑制された。一方、炎症ストレスにより上昇するIFNγの作用に関しては、COX-2およびGDNF遺伝子に対しIL-1βと同様の傾向が見られた。また、VEGF遺伝子については、対照群(正常酵素分圧)で発現量が増加するものの、同時に低酸素状態で培養しても発現量には差異がなく、IFNγとの相乗効果は見られなかった。ATPについてはCOX-2遺伝子のみに発現量の上昇が見られた。以上の結果から、アストログリア細胞では、IL-1βやIFNγなどのサイトカイン刺激と低酸素状態との相乗効果により誘導されるCOX-2遺伝子が、漢方薬治療の対象として最有力候補であると考えられる。現在、アミロイドβタンパク質の分解に係わるneprilysin遺伝子の解析、および、脳毛血管内皮細胞の正常細胞培養系の確立を進めている。
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