Project/Area Number |
03F00348
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
小児科学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 邦彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 暁明(MA. X. ) 北海道大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ヒトメタニューモウイルス / ウイルス分離 / 分子系統樹 / モノクローナル抗体 / ヒト気管上皮培養細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
2001年に発見されたhuman metapnumovirus(hMPV)は、RSウイルス同様に様々な呼吸器疾患(細気管支炎、喘息様気管支炎等)の原因ウイルスとして注目されている。我々の研究グループは本ウイルスの分離法、RT-PCR法によるウイルスゲノムの検出法、蛍光抗体法による抗体検査法を確立して、以下の事項を明らかにしてきた。 1.呼吸器感染症患者から採取した咽頭鼻汁ぬぐい液268検体中7検体(2.6%)よりウイルスが分離された。 2.咽頭鼻汁ぬぐい液637検体中57検体(8.9%)でRT-PCR陽性であった。 3.1か月から35歳までの血清142検体について抗hMPV抗体を検索したところ、抗体保有率は72.5%で、加齢と共に抗体陽性率は上昇した。 4.RT-PCR法にてhMPVの存在が証明された患者の急性期と回復期のペア血清中の抗hMPV抗体価を測定したところ、10組中8組で4倍以上の抗体価の上昇を認めた。 以上、小児の呼吸器感染症を起こす原因ウイルスのなかで、hMPVは重要な位置を占めていることが明らかになった。 これらの研究成果を元に本年度中に達成された、あるいは進行中の研究を列記する。 1.分離されたウイルス7株のN,P,M,F,M2,SH,Gの塩基配列を決定して分子系統樹を作製した。これら7株とすでに塩基配列が発表されている3株、計10株は2つの大グループ、4つのサブグループのいずれかに属することを明らかにした。ウイルスの表面糖蛋白のひとつG蛋白は各株間で大きく異なっていたが(33%)、4つのサブグループ内ではよく保たれていた(88-96%)。hMPVの中和抗体を考える上で重要である(投稿中)。 2.hMPV感染細胞をマウスに免疫してモノクローナル抗体を作製した。少なくとも4株が得られ、現在characterizationを行っている。 3.ヒト気管上皮培養細胞にhMPVを吸着させて、その後感染が成立するか否かを確認する。感染が成立した時、各種サイトカインの発現増強の有無などを検索して、hMPV感染症の病態解析を行う。
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