Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
新規アミノ酸は食品添加物、農薬、医薬品のみならずキラル化合物として産業界や学術研究分野において最も重要な化合物群である。本研究の目的の一つであるオキシムエーテルへのラジカル付加反応を鍵反応とする各種アミノ酸の新現合成法の開発を行うため,ラジカル種を活用して、イオン反応では不可能な水系溶媒中での反応、連続的反応、ワンポット反応、多成分反応などの基礎的検討を行った. 本年度は、まずグリオキシル酸アミドへのアルキルラジカル付加反応の検討から開始し、その後、ジペプチドおよびトリペプチド構造類似基質への付加反応を詳細に検討した.その検討過程で重要な新知見を得た.まず,本ラジカル付加反応に影響を与える重要因子として,基質のイミン誘導体の反応性,付加する炭素ラジカルの求核性およびトリエチルボランから発生するエチルラジカルとラジカル前駆体であるハロゲン化アルキル間の原子移動能があることを明確にした.すなわち,ラジカル前駆体であるハロゲン化アルキルの炭素-ハロゲンの結合エネルギーが小さければたとえ求電子的な炭素ラジカルであってもオキシムエーテル類へ付加することを見出した.そこで,1級および2級ヨウ化アルキルを用いて系統的に反応性を検討した結果,種々のタイプのα-アミノ酸誘導体が高収率で得られることが分かった.この結果は,これまで1級炭素ラジカルの付加は進行しにくいとされていた定説を覆す重要な知見である. さらに,本反応の一般性と有用性を調査するため,種々のヘテロ環を有するヨウ化物を合成し,それらとイミン類のラジカル反応を検討したところ,いずれも付加反応はスムースに進行し,アミノ酸構造とヘテロ環構造がリンクした化合物を合成できた.
|