Project/Area Number |
03F00744
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
数学一般(含確率論・統計数学)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 正己 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COLLINS Benoit 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 非可換確率論 / マーチン境界 / 自由確率論 / 行列積分 |
Research Abstract |
マルコフ連鎖のマーチン境界の理論の非可換な場合への拡張について研究した。P.Bianeはコンパクト群の群フォンノイマン環に作用するたたみ込み積作用素のマーチンコンパクト化やマーチン境界の概念を導入し、さらにSU(2)の基本表現により与えられるたたみ込み積作用素の場合にその構造を決定した。一般のSU(n)の場合にマーチンコンパクト化を決定する問題は未解決であるが、正の調和元の端点全体が位相的には随伴表現の球面と同相であることを示した。さらにこの端点の構造を使って、たたみ込み積作用素を群フォンノノイマン環の中心に制限して得られるワイル領域上のランダムウォークの、通常の意味でのマーチン境界を完全に決定した。 ランダム行列は自由確率論の解析可能なモデルを与えることから非可換確率論の重要な研究対象である。一方自由確率論に現れる自然な分布はランダム行列の固有値分布の極限として現れることが多く、ランダム行列の解析をする上でも自由確率論的考え方を用いることは有効である。また場の理論のある種のモデルの研究のため行列積分についての多くの理論物理的研究も行われているが、数学的にはこれはユニタリランダム行列の問題である。これら自由確率論と理論物理の問題に触発され、直交多項式を用いる解析的方法と不変式論に基く組み合わせ論的方法について研究し、その応用としてある種の行列積分の収束性についての証明を与えた。組み合わせ論の部分はP.Sniady (Wroclaw大学)との共同研究である。この組み合わせ論的方法は一般性を持つことが期待されており、自由エントロピーの理論や、次数の大きな対称群の表現に関するKerovの予想に対する応用の研究を現在行っている。
|