幾何学的拘束条件のあるメゾスコピック超伝導体における磁束の自己秩序と相転移現象の解明
Project/Area Number |
03F00755
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
門脇 和男 筑波大学, 物質工学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEN J. Baelus 筑波大学, 物質工学系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | メゾスコピック系超伝導体 / SQUID磁気顕微鏡 / Ginzburg-Landau理論 / 巨大磁束 / 多重磁束状態 / トンネル接合 / 自己秩序化 / 磁束線の相転移 |
Research Abstract |
Ben Baelus博士は、過去数年に渡り、Ginzburg-Landau理論に基づき、微小超伝導体において様々な幾何学的形状の場合、数値計算によりどのような秩序状態が実現するかを研究してきた。その中で顕著な現象として、試料の大きさがコヒーレンス長程度となると量子化磁束の整数倍の磁束を持つ巨大量子化磁束へ転移することがあげられる。これを実験的に検証し、理論と比較検討することを目的とした。 実験は走査型SQUID磁気顕微鏡により、微細加工したNb、Pbなどの薄膜で(大きさは8〜50μm)4.2Kにおいて磁束線の秩序がどのように発現するかを詳細に調べた。その結果、磁束線の数が少ない場合、ピン止め効果により様々な位置に配置するが、磁場の増大とともに磁束線間の斥力相互作用が強くなり、幾何学的形状にのみ依存した空間配列をとることが分かった。試料が正三角形で一辺が30μmの場合、磁束線は常に正三角形の中心にのみ観測され、全磁束は量子化磁束Φ_0(=2.07x10^<-7>G・cm^2)のnΦ_0であることが分かった。装置の空間分解能は約1μmであるから分解能の不足によって分離観測できない可能性もあるが、理論的には一中心に集まる理由が見あたらない。磁束線は中心部へ押し込められ、巨大磁束状態が発現しているように見える。 一方、Alの微小円盤の円周上にトンネル接合を介し電極を複数作成し、各電極間のトンネル電流特性と磁束線の数の関係を調べた。実験は神田・大塚(筑波大学物理学系)との共同研究である。その結果、トンネル電流は磁束線がΦ_0を単位として独立に存在する場合からのnΦ_0の巨大磁束状態への変化を示唆しており、理論的な予測と良い一致を示すことが分かった。この結果はトンネル電流によって個別多重磁束状態から巨大磁束状態への変化を検証した事を意味しており、重要な発見である。
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Report
(1 results)
Research Products
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