Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
炭疽菌によって起こる炭疽は世界中の家畜や野生動物,更には人で最も急性過程をとる細菌感染症である。同時に生物兵器の候補として常に恐れられている。そのため,炭疽の迅速な診断・検出法および予防・治療法の確立は重要である。特に,インドなど発展途上国では炭疽の発生は頻繁に起こり,防疫上重要な感染症である。しかし,防疫上満足のゆく技術は充分とは言えず,その原因は炭疽の病原性について解析が進んでいないからであるとともに,炭疽の環境中での生態もよく分かっていないからである。炭疽菌は体内に進入後,速やかにマクロファージに取り込まれ発芽し,最終的には血流中で爆発的な増殖を繰り返し,宿主を死に至らしめる。そこで,この発芽の過程および爆発的な増殖過程の詳細を理解すれば,炭疽の新たな予防・治療法が確立できると考えられる。そこで本研究では炭疽菌が血流中でどうして宿主免疫機構を無視して爆発的に増殖するのか,そしてその遺伝子制御機構に焦点を当て,炭疽の発症機構について研究を進める。 しかし、外国人研究員は来日後実質3ヶ月しか経過していないため、炭疽菌の取り扱い方、実験動物の飼育、遺伝子操作など基礎的な習熟に時間がかかり、大きな研究の進展は無い。しかし、以下の点で成果をあげはじめている。 1.炭疽菌の芽胞の作成技術:純度の高い芽胞体が精製でき、感染実験の足がかりとなっている。 2.炭疽菌に対する蛍光染色法を確立した:同じく感染実験の基礎技術として有用である。 3.炭疽菌のワクチン開発:炭疽菌の防御抗原を用いた乳酸菌による安全なワクチン開発の一環として、マウスへの免疫効果を実験系を構築した。現在ワクチン効果の試験を始めている。
|